商品の眠るお墓?

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By Satou Yoko, 2021年12月22日
(「その他」のカテゴリに入れられて日の目を見ることのない商品たちのお墓)

最後に書類の整理やPC内のファイルの整理をしたのはいつですか?どこに入れていいかわからないものたちを「その他」のカゴに入れて整理したことにする、なんて経験もあるのではないでしょうか。
それを繰り返していくと、「その他」のカテゴリはいつの間にか満タンになっていきます。カテゴリ内の分類をしないと、どこになにがあるのかわからなくなってしまうでしょう。  

 

ここでECモールにあてはめて考えてみてください。書類やPCファイルと同じように毎日商品がアップされ、それぞれのカテゴリへと分類されていきます。通常であればペンはペン、靴は靴のカテゴリに分類されますが、ここで考えられる間違いとしてはペンが靴のカテゴリに行ってしまうこと、そして最悪のケースは「その他」のカテゴリに行ってしまうことです。

 

  「その他」のカテゴリは言うなればその後日の目を見ることのない商品たちのお墓なのです。

 

shopzillanにおける「その他」のカテゴリ欄

 

通常ECモールに商品をアップする際のカテゴリ分けは売り手が行います。数百から千単位の商品を取り扱う小規模なショップであれば、きちんと注意を払ってカテゴリ分けすることは可能でしょう。しかし20万の商品を3つや5つのECモールにそれぞれアップしているような大規模なショップはどうでしょうか。60万から100万の商品を仕分けしなくてはならないだけでなく、日々数千の商品が在庫に追加されていきます。さらにECモールは時によってカテゴリの仕組みや規制を変更するため、タスクはさらに複雑化します。ところが商品をカテゴリ分けせずにアップすることはできないため、その場しのぎとして「その他」に商品を入れてしまう売り手もいるでしょう。ここで、冒頭で述べた「その他」カテゴリの闇が誕生します。

 

通常ECモールはきちんと構築、整備されたカテゴリとナビゲーションの仕組みを持っています。ナビゲーションシステムはカテゴリとつながっているため、サイトを訪れた買い手はこのナビゲーションの絞り込み機能を使って検索することで目的のカテゴリから買い物をすることができます。ECモールにあるすべての商品カテゴリはそのカテゴリ内の商品に適合した属性を備えています。なぜなら同じカテゴリ内の商品は基本的に同じ属性を持つためです。例えばシャツであればその特徴を色や素材で、カメラであればセンサーサイズなどで仕分けることができます。

 

当然、こういった属性による仕分けは「その他」には通用しません。「その他」に属する商品たちに共通性がないためです。そのため絞り込み検索のための条件がかけられないことになります。

 

Ebayにおける「その他」のカテゴリ欄。10億以上ある商品の中で「その他」に属する商品はたったのこれだけです。

 

ほとんどのECモールにおけるとても単純な対策は、「その他」のカテゴリをユーザーから隠してしまうことです。「その他」に入れられた商品を買い手は見ることができません。買い手が見られるようにしているECモールにおいても、このカテゴリを絞り込み検索して見やすくすることは不可能です。どちらのケースであっても、買い手がここを閲覧することやここから買い物をする可能性は極めて低く、「その他」カテゴリはECモール内の商品のお墓と化しています。

 

ここで「その他」カテゴリにまつわる数字を見てみましょう。もし属する商品が少ないのであれば、カテゴリ分けの労力を顧みてそのままでもいいと思うかもしれません。ですが、全体でわずか0.5%~1%の商品が「その他」にあるだけでECモールにとって大きな問題となるのです。

 

この数字はECモールによって0.05%~40%とさまざまですが、大きなチャンスの損失であることに変わりはありません。

 

同じ「その他」であっても、「家」 ->「その他」と比べて「家」 -> 「家具」 -> 「椅子」 ->「その他」はまだましですが、転換率が下がる点においては同じです。

 

ここでECモールを裏側から見てみましょう。売り手側のフィード、ここに問題の理由があります。日本の大手EC出品者で、31万4千点の商品を持つ売り手がその59.4%にあたる21万1千点の商品を未分類のままECモールの「その他」に出品していました。21万1千点のうち、11万3千5百点の商品は「家」 ->「その他」と同様の状態にありました。こういったケースの場合、明らかに改善の余地、そして転換率と売り上げの向上の余地が見えます。

 

楽天市場における「その他」のカテゴリ欄。

 

もちろん商品のカテゴリ分けは売り手側に責任がありますが、ECモールにもするべきことはあり、それは双方にメリットをもたらします。ECモールは「その他」に出品できる商品の数に上限を設けるべきでしょう。その上限に達したら、商品のカテゴリ分けのし直しを強制するか、少なくとも買い手に売り上げ機会損失の警告などをすべきです。 さらに言えばECモールは出品者の選定をきちんとすることも大切でしょう。商品のクオリティのみならず、出品の仕方、つまりはカテゴリ分けの仕方がきちんとされているかどうかで出品者を査定することができます。

 

結論として、売り手側とECモール側、双方からこの問題には取り組む必要があります。ほとんどの場合、どちらもこの問題の深刻さとどれだけの売り上げが失われているかに気づいていません。双方においてのより良いカテゴリ分けのシステムや、上記のような出品時における新しい仕組み、継続的な出品者の査定などをすることで、商品たちを「その他」のカテゴリから本来あるべきカテゴリへと救うことができるでしょう。 そうすることでやっと、買い手は商品を閲覧することができ、購買のチャンスが生まれるのです。

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